映画

映画【海獣の子供】の感想レビュー・あらすじと見どころ

海獣の子供 イメージ

漫画家、五十嵐大介の初の長編作品が待望の映画化。

38回日本漫画家協会賞優秀賞、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞にも選ばれたこの作品のアニメーションを手がけるのは、アニメ界の巨頭STUDIO4°C

総指揮を取るのは、映画ドラえもんや劇場版宇宙兄弟で知られる、渡辺歩監督。

音楽にはなんとスタジオジブリ作品全てに携わるあの久石譲が担当し、米津玄師が手がけるテーマソング「海の幽霊」が公開前からYou Tubeで人気をさらうなど、様々な面で話題となりました。

【海獣の子供】を観た感想

一言で言えば、ズバリ素晴らしかった!

そして、とても満足感がありました。

まず、海の表現力が素晴らしい。

水は質感が伝わってくるほど美しく、描かれている生き物のスケールの大きさ、海の底深さは見ていて怖くなるほど。

そして、一体自分は何を観たのだろうと、良い意味で解釈しきれない神秘的なストーリー体験。

また、原作漫画を既に読んでいる人にとっては、原作者である五十嵐大介のブランド的な画風が崩されずに描かれている事もポイントが高いはずです。

「海獣の子供」といえば、映像化が不可能と言われていた漫画が原作。その理由は、作者である五十嵐大介の特徴的な画風と、壮大な世界観で繰り広げられる抽象的表現にあります。

この2つの要素は原作の最大の魅力でもあるため、多大な期待を背負った企画だったに違いありません。

しかし、職人技による映像・音楽表現によって、オープニングからエンディングまで感動しっぱなしの作品に仕上がっていました。

あらすじ

引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

夏休みが今日から始まるというのに、中学校のソフトボール部で問題を起こしてしまった瑠花(ルカ)は、

気持ちを上手く伝えることも、誰かに気にかけてもらうことも出来ず孤立してしまう。

アルコール依存の母、加奈子がいる家に帰りたくない瑠花は居場所を無くし、別居中である父、正明が働く水族館へと足を運ぶ。

まだ仲が良かった頃の両親と見た、思い出の大水槽。キラキラと輝くイワシの群生やエイなどの美しい魚たちを眺めていると、なんと1人の少年が魚たちと一緒に泳いでいたのだった。

引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

少年の名前は“海”。

そして彼の兄は“空”といい、

2人はジュゴンに育てられたのだという。

瑠花と海と空。

三人の出会いをきっかけに、地球上では不思議な現象が起こり始める。巨大な彗星が海に落ち、海の生き物たちが日本へ集まりだす。東京湾に現れたザトウクジラは“ソング”と呼ばれる音を放ち、海の生き物たちにあるメッセージを伝えた。

それは、「祭りの〈本番〉が近い」ということー。

〈本番〉とは何なのか。

“海と空“とどう関係しているのか。

謎めいた2人の力を利用しようと画策する政府、

2人を守る海洋学者であるジムとアングラード。

様々な人間がこの不思議な現象を追い求める中、瑠花は1人渦の真ん中へと引き込まれていく。

見どころ

アニメーションの力

引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

この作品が映画化されると聞いてまず期待が高まった理由は、制作スタジオがSTUDIO4°Cだったから!

先にも書きましたが、「海獣の子供」は映像化が難しいと言われてきた作品。ファンにとっては半端な再現ならばむしろ映像化してほしくない作品でもあります。

STUDIO4°Cといえば、実験的アニメーションへの取り組みで培った技術によって、「鉄コン筋クリート」や「ベルセルク~黄金時代篇」などで漫画原作からの映像化で実力を発揮しているタジオです。

“瑠花と海’’の子供らしい生き生きとした動き。

美しい海中の生き物たち、そして「祭りの〈本番〉」という、壮大な世界。

引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

観ていて唖然としてしまうほどの映像表現だけでも満足感は大!

豪華キャスティング

キャラクターの命となる「声」ですが、演技派の豪華役者陣がそろっていて聞き応えあり。

主人公の瑠花役は、子役時代から演技派として高い評価を得ている芦田愛菜さん。人に壁を作りやすい思春期の女の子を見事に演じています。

そして“海”役は、ディズニー映画「リメンバー・ミー」で主人公ミゲル役を演じ、美しい歌声が話題になった石橋陽彩さん。

他にも、海洋学者 アングラードにはスピルバーグ監督作品『レディ・プレイヤー1』に出演した実力の持ち主森崎ウィンさん。瑠花の両親役には演技派女優の蒼井優さんと稲垣吾郎さんといった、厳選されたキャスティングとなっています。

圧巻のクライマックス

引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

この映画の名シーンはクライマックスである「祭りの〈本番〉」。

シロナガスクジラやジンベエザメなど、世界中のあらゆる海洋生物たちが、導かれるように祭りへと集います。

海の中で“海”を探すうち、巨大なクジラの内部へと取り込まれてしまった瑠花は、“渦”の中心として見たこともないような光景を目の当たりにします。

宇宙、そして人や生物の生命世界が描かれた神秘的な映像に、頭で考えることが無駄に思えるほど五感が揺さぶられます。

引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

また、このシーンは世界的人気を誇るアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』や、歴史的名作『2001年宇宙の旅』に通じる要素があると言われている意味深なものにもなっているので必見です。

宇宙が好きな人に観てほしい

海獣の子供 イメージ引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

この作品はただ海が美しく表現されているわけではなく、とても壮大なスケールのテーマが隠されています。

それは《生命の起源》。

生物の持つ命の一つ一つは宇宙の縮図であり、この地球上、海、または人の中に溢れています。そしてその縮図は太古の記憶をはらみながら今なお生きつづけ、私たちの住む世界に潜んでいるのです。

瑠花が“海と空”と巡り合った先に辿り着いた景色は、こういったものだったのではないかと思います。

引用 : https://www.kaijunokodomo.com/sp/

豊かなイマジネーションで描かれた人間の理解を飛び越える世界は、宇宙好きなあなたの心に突き刺さること間違いなしです。

まとめ

アニメーション作品ということで、劇場にはたくさんの子供達も観に来ていて印象的でしたが、

「よく分からなかった!」

「でもなんか凄かったね。」

などなど、難しい世界観に対する子供たちの率直な感想は、ひとつの正しい答えだと思いました。

“ 理解はできないけど、凄い ”

これも貴重な映画体験に違いありません。

作品情報

製作年 2019
製作国 日本
配給 東宝映像事業部
製作スタジオ STUDIO4℃
上映時間 111分
監督 渡辺歩
キャラクターデザイン 小西賢一
総作画監督 小西賢一
演出 小西賢一
キャスト 瑠花 : 芦田愛菜(mother, うさぎドロップ)

海 : 石橋陽彩 (リメンバー・ミー)

空 : 浦上晟周 (トモダチゲーム)

加奈子 : 蒼井優 (フラガール, 東京家族)

正明 : 稲垣吾郎 (13人の刺客, 笑の大学)

ジム : 田中泯 (47 RONIN, 永遠の0)

アングラード : 森崎ウィン (レディ・プレイヤー1)

デデ : 富司純子(サマーウォーズ, 犬神家の一族)

音楽 久石譲
主題歌 『海の幽霊』作詞/作曲  米津玄師

(  ) 内は代表作、関連番組など