2015年に口コミによって異例の大ヒット。
米国上映館数わずか5館から1300館までに広がり、興行収入はなんと1.5億円を突破した、映画史に名を残す名作です!
恋愛や仕事などで節目を迎えるとき、自分の “これまで ” と “これから” について考えちゃったりしませんか?
生活の変わりめを一区切りに、新しい挑戦に意気込んだり。
人間関係での辛い経験に終止符を打って、前向きに歩かなきゃな〜なんて、重たい腰を上げようとしたり。
そうして新しいステップを踏み出そうとするとき、この映画は優しくはげましてくれるのですよ〜。
もくじ
【はじまりのうた】を観た感想
大人がキラキラする瞬間ってサイコー!!
恋人には裏切られ、
生きがいである音楽の仕事では挫折。
もうボロボロ!ってとこからのスタート。
これがまた辛い。
まったくコミカルに描かれていないんですよね。
でもだからこそ、
そこからの爆発が本当に楽しい!美しい!!
見ていてとても励まされます。
そして何より
音楽がめちゃくちゃ良い。
透明感があって、スッと景色に滲んでいくような曲たち。主人公たちだけでなく、観ている私たちのことまで慰めてくれているみたいです。
あらすじ
敏腕音楽プロデューサーであるダン。(マーク・ラファロ)
薄っぺらい音楽なんてクソくらえ!と、流行を追うだけの会社に背きクビに。更に妻、娘とは別居。今では見た目ホームレスな酔っ払い中年ジジイとなっていた。(ひどい)
1人小さなバーで酔いつぶれていると、ステージで浮かない顔のシンガー、グレタ(キーラ・ナイトレイ)が歌い始める。
グレタは、恋人であり音楽の制作パートナーでもあるデイヴ(アダム・レヴィーン)と共にニューヨークへ訪れた後、1人売れっ子となったデイヴに浮気の末捨てられてしまっていたのだった。(悲しみの嵐!)
細々としたグレタの歌に、バーの客達は全く無関心。が、ダンは目を輝かせてこう言う。
「okだ。一緒にレコードを作ろう。」
そうしてニューヨークの空の下、資金を全く持たない2人は街中の至る所でゲリラ的にレコーディングを敢行し、次々と奇跡を起こしていくー。
みどころ
音楽好きは楽しめる事まちがいなし!
アメリカの超人気ロックバンド、MAROON5のボーカル、アダムを起用しているだけあって良曲ばかり!( 劇中でもモテ男キャラ… )
キーラ・ナイトレイの透明感あふれる歌声にも、キャラクターの持つ切なさが詰まっていて胸に刺さります。驚きなのは、彼女の曲が収録当日に渡されている事。だからこそ真に迫る歌声なのかもしれませんね。
そして、ダンが曲を路上アレンジしていく様子もものすごくかっこいい。これが劇中で始めてダンが仕事をするシーンとなるのですが、モノクロームのような素朴なグレタの歌が一瞬にして色彩を持ち、昇華するのもみどころ!
レコーディングの為に他人との関係をみるみるうちに築き上げる様子もとてもセクシーです。

いろんな機材を1人で抱え、夢中で曲を作り上げていくダンが本当に好き。
音楽愛を大爆発させていて、見ているこっちまでパワーがみなぎります。
音楽にささげてきた彼の歴史が滲み出ていて、じーん……
ニューヨークの飾らない街並み

ジョン・カーニー監督も、「NYの街並みはどこにカメラを向けても数多くのストーリーがある。」と話をしていますが、
この映画ではタイムズスクエアーのような有名どころではなく、カフェや路地裏、メトロなどの景色がふんだんに使われています。
そしてその景色たちから、“たくさんの人たちがここでドラマチックなシーンを過ごしてきたんだろう” というにおいがするのです。
ゲリラレコーディングのシーンは、まるでそんな歴史の中の一部として彼らが存在しているようで、とても尊い瞬間に思えます。
パンチのあるキャラクターたち

メインキャラクターのグレタ、ダンはもちろん、サイドキャラクターもとても魅力的!
個人的に大好きなのは、グレタの音楽仲間であるスティーヴ。(ジェームズ・コーデン)
失恋し、ボロボロだった彼女を間近で支えたスティーヴですが、とにかくキュート!
1人路上ライブで必死にギターをかきならす彼を一目見れば、誰しも彼を好きになってしまうはず。
私ともお友達になってスティーヴ!
「はじまりのうた」の名シーン・名ゼリフ
この映画は名シーンの連続!
その中でもダントツで心に残るのは、真夜中の屋上での演奏シーンです。

妻、娘と別居中のダン。
愛する娘、バイオレット(ヘイリー・スタインフェルド)と過ごす時間は、学校帰りに妻の家まで送り届けるわずかな時間のみ許されています。
ただこのバイオレットが、ダンに全く懐いていない!
ダンも愛情を上手く表現できず、溝が深くなってしまった2人。
このレコーディングシーンでは、そんな微妙に距離が縮められないでいた2人が、ベース&ギターでセッションをするのです。
おそるおそるアドリブを入れる、ベース初心者のバイオレット。すかさず手慣れたギターでダンがフォローを入れます。
この2人の音の重なり。まるでギターが泣いているようでとても切ない。そして楽曲としても最高にかっこいい。
しかし熱の入った音に周囲の住民からは 「うるせえ!警察よぶぞ!」と大クレーム。
すかさずダンは大声で
“More three minutes!”
ーあと3分くれ!
本来曲は終わっているのですが、
娘との奇跡のセッションをまだ終わらせまいと叫ぶ、ダンの父親としての姿に見ていて思わず涙涙です。
何かにつまづいているあなたに観てほしい!

劇中、ダンはこう言います。
「音楽の魔法だ」
「陳腐でつまらない景色が美しく光り輝く真珠になる」
そんな音楽の力でグレタはどんどんと前向きになり、自分を取り巻く景色を塗り替えていきます。
それは映画を観ている私達も同じ。
観終わる頃にはグレタのように、なにか自分にも挑戦する力が宿った気分になれるでしょう。
作品情報
原題 | Begin Again |
製作年 | 2013 |
製作国 | アメリカ |
配給 | ポニーキャニオン |
上映時間 | 104分 |
監督/脚本 | ジョン・カーニー(once ダブリンの街角で) |
主演 |
キーラ・ナイトレイ(パイレーツオブカリビアンシリーズ) |
その他 出演者 |
マーク・ラファロ (アベンジャーズ)
ヘイリー・スタンフェルド(ピッチパーフェクト) アダムレビーン(アメリカンホラーストーリー) ジェームズ・コーデン(イントゥ・ザ・ウッズ) キャサリン・キーナー(イントゥ・ザ・ワイルド) |
音楽 |
グレッグ・アレキサンダー |
公式サイト | http://hajimarinouta.com/ |
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